衣都の工房は、お客様と一緒になって「ものづくり」をしてゆくサイトです。どんな技術を駆使して作るのか、どんなことに注意すればいいのかをまとめてみました。
タテ糸とヨコ糸が直角に交差する生地を織物といいます。その織物の中でも、糸を先に染めて織って柄を表現するジャカード織りは、「桐生」が最も得意とする織物の技法です。ジャカード織りの柄表現は、白生地を後から染めたりプリントしたりする後染めの織物と比べ、深みのある高級感漂う表現力が特徴です。ハイレベルな製品の高級素材として、世界のトップブランドからも愛され親しまれております。【柄表現においての留意点】柄に表現には制約がございます。
織物はプリントなどと違い紋紙(もんがみ)というものが型となります。紋紙とは生地を織る際、タテ糸の上げ下げを指示する指示書みたいなもので、これによって複雑な柄を織り出していきます。そのため柄の色数や大きさ、複雑な柄の再現性などには制限がございます。
色はご希望の色の近似色となります。
あらかじめ染まっているタテ糸とヨコ糸を組み合わせて色表現するため、ご希望の色の近似色になります。300色以上の色糸をご用意しておりますので大幅にブレることは無いかと思いますが、あらかじめ許容範囲を考慮ください。(量産の前に織り出し見本をご提出いたします。)
既製のTシャツやポロシャツ、スタッフジャンパーなどの衣類やバッグ類にマーキングする技法で、顔料プリントやシルク印刷などと呼ばれる方法です。顔料と呼ばれる水性のインクをのせて、あたかも白い画用紙に絵の具で色を塗るかのような感じです。1色につき1つの型(版)をつくり、次々と色を塗っていく工程は機械化され、最先端の技術で短納期・少ロットを実現しております。【柄表現においての留意点】
色数は5色まで
織物と比べデザインの自由度は高いのですが、色数は経済性・生産性を考慮すると5色までがベスト。ただし、ポリエステルやナイロンなど化繊系の素材の場合は原則として1色のみの対応となります。それ以上の色数やグラデーションの表現を使用したい場合は転写やインクジェットなどの技法を検討することになります。
色の指定は印刷物でやりとり
色指定については、デザインとは別に確認する必要があります。
例えば「メールで送信したデザインのデータの色と同じ色で・・・。」といわれるケースがございますが、お客様と私たちのパソコン環境の違いから、必ずしもお客様が意図している色を私たちが確認しているとは限らないので、紙に出力された現物を送っていただくことがございます。
誤解を招くことがないよう色の指示については、印刷物を郵送いただくか、DICやPANTONEなどで共有することの出来る色指定をお願いいたします。
「桐生」の刺繍は、古くから着物などに施される横振刺繍を中心に盛んに行われ、刺繍の街ともいわれるほどたくさんの技術者がおります。現在は最先端の技術を導入し、より高度な技術を駆使してさまざまなニーズに対応しております。一針一針が放つ豊かな表現は、豪華で気品に満ちた付加価値を与えます。【柄表現においての留意点】
ご希望の色の近似色となります。
織物と同様、あらかじめ染まっている刺繍糸を使用しします。そのため、ご希望の色に近い刺繍糸を使うといったことになりますので、若干の色のブレが生じます。とはいっても、刺繍糸の色数はたくさんございますので、極端にイメージと異なることはないと思います。
使える色は6色まで
一針一針縫っていく刺繍では、色数は6色までとなっております。多色で表現されるデザインの場合は、あまり意味の無い色は省くか、別の技法を検討する必要がございます。
柄の大きさや色数、製作枚数によって価格が異なります。刺繍の場合の価格は、何針縫うかによってパンチ代(型代)や工賃が異なってくるため、正式なデザインが決定しないと正式なお見積のご提示ができません。安くするための秘訣としては、あまり大きくしない・複雑な柄にしない・たくさん作るといったことがあげられます。
生地そのものを染料に漬け込み浸透させて生地全体を1色に染めていく浸染に対して、捺染は部分的に模様を染めていく技法です。
この染色技術はきれいな水と深いかかわりがあり、山紫水明な町「桐生」の美しくて豊かな水資源を利用して、鮮やかな発色を実現しております。
■柄表現においての留意点
- 【捺染に向くデザインと向かないデザインがあります。】
捺染の染色技法では、1色の作業をした後 布地を乾燥してから次の作業に入るため、布地の伸縮で正確な版合わせが難しくなります。そのため、染色する際に2色間のズレを緩衝する白地を残します。専門的には「ヨケル」といいますが一番簡単な方法で端的な表現ができ、こうすることで版のズレをうまく吸収します。
|
|
|
-
- 【色柄の再現性より、染めの味わいを優先】
捺染は本染めとも呼ばれ、昔から伝わる染色技法。糊と呼ばれる染料はプリントしてすぐには発色せず、蒸して水洗することで鮮やかな色彩を放ちます。温度や湿度に影響されるため、季節によっても色合いが異なるケースがあるほどデリケートかつ技術を要する染め方です。熟練の技術が必要なゆえに、その独特の色合いや味わいの深さには伝統的な美しさが感じられます。再現性にこだわりを求める場合には、あまりお奨めすることが出来ません。染めの本質をご理解の上、ご検討ください。
|
デジタルデータを生地に出力するプリント技術です。型や色数の制約にとらわれない自由な発想で表現できます。また、ご希望のカラーの再現性が極めて高く、かつスピーディーに確認作業が行えるため、イメージを具体化しやすい方法です。
桐生産地では、このような最先端技術を、古くから伝わる捺染プリントの技術と経験で解釈し、産地らしい表現力を構築しております。
■Illustrator Photoshop Acrobat など |
【拡張子】 ai , psd , pdf , eps |
【主な注意点】
・必ずアウトライン化したデータにしてください。
・バージョンはいくつでもかまいませんが、バージョン限定機能は使用しないでください。
・可能であれば色ごとにレイヤー分けしてください。
・同色のデザインが重なっている部分は合体をかけておいてください。 |
■写真、手書き、その他ペイントツール、など |
【拡張子】 jpeg , bmp , png , tiff |
【主な注意点】
解像度の高いデータのほうがデザインとして綺麗に扱えます。逆に低すぎるデータにつきましては取り扱いが出来ない場合がございます。また、プリントなどの製品の場合はモニターで見た時の色と印刷した時の色は変わりますのでご了承ください。
※解像度300~600dpiの画像データを推奨いたします。 |
- 色指定については、デザインとは別に確認する必要があります。
例えば「メールで送信したデザインのデータの色と同じ色で・・・。」といわれるケースがございますが、お客様と私たちのパソコン環境の違いから、必ずしもお客様が意図している色を私たちが確認しているとは限らないので、紙に出力された現物を送っていただくことがございます。また、CMYKのパーセンテージ指定においても曖昧です。
誤解を招くことがないよう色の指示については、印刷物を郵送いただくか、DICやPANTONEなどで共有することの出来る色指定をお願いいたします。